石巻弾丸行(一日目)

※この記事は gragre.com に2011年6月8日に掲載した記事の転載です。

6月1日、午前中に、石巻でボランティア活動をしている友人から「被災地でワークショップをやってみないか」とメールが送られてきた。ずっと被災地へ行くきっかけを見つけられずにいた僕は「やる」と答えた。すると更に送られてきたメールには「じゃあ今から来ればいいじゃない」と(笑) “今から”とはこの先のいつかではなくてまさにその日、“今日これから”を指していた。あまりに唐突すぎて、外出中だった僕は逆に躊躇することもなく帰宅してすぐに準備に取り掛かった。マスクや作業用の手袋やヤッケなどの必要なものを買い揃え、現地での作業に必要な工具類を自分の持っている工具の中から選定して、必要最低限の装備を用意した。作業着には普段から使っているオーバーオールを選んだ。ワークショップに必要な洋裁道具も準備。交通手段を検討して、僕はお金がなかったので新幹線ではなくその日の夜発つ夜行バスを選んだ。そうして最初のメールから約半日後、宮城県へと向かうバスに乗り込んだ。

新宿を出発したのが深夜12時頃。翌朝6月2日の6時前には仙台に到着した。そこからさらに高速バスに乗り込み、石巻へ。仙台からは渋滞していて、目的地に到着するまでには約2時間半を必要とした。無事目的地に到着して、その日の作業は炊き出しと決定。軽トラを運転して現地へ…となるはずだったんだけど、僕はもう15~16年ほど運転してない。一応運転席に座ってエンジンをかけてみたけれど、「あれ、どっちがブレーキだった?」という有様だったので運転は断念して、たまたま他の現場へ向かう予定だった人にお願いして炊き出し場所まで乗せて行ってもらうことになった。その道中、その人が担当している現場の作業に翌日加わることも決まった。

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この日の炊き出し現場は石巻市渡波駅前
遅れて現場についた僕は、既に準備を始めていた皆と一緒に炊き出しの準備に加わった。僕が担当することになったのは冷凍されていたチャーシューを湯煎で解凍して切り分けること。もちろんひとりでは間に合うわけがなく、何人かで一緒にすべての作業を手分けして行い、12時からの開始に何とか間に合わせることができた。県外から来ているボランティアだけではなくて、こういう現場では地元の人達も力を貸してくれていて、そういう人たちのおかげで現場はなんとか廻っている。一時期のボランティア人員が豊富だった時期に比べて今は圧倒的に人が足りていない。週末は多少人が増えるけれど、長期ボランティアが確実に不足している。地元の皆さんと信頼関係を築きながら支援活動を行うには長期ボランティアが絶対に不可欠。学生や会社員が社会貢献のために長期のボランティア活動に従事することを評価できる社会にはなれないのだろうか…。

渡波駅前での炊き出しが終わり、鍋などの返却を兼ねて2日後にワークショップをさせていただくことになる湊中学校へ。
ここは震災後、特に被害のひどかった地域で、いま“みなと食堂”として炊き出し場所になっている湊中学校の体育館も、中に泥が流れ込み、自動車が突っ込んだ状態からボランティアたちの手で今の状態に。校舎は避難所として使われている。今回僕は被害の爪痕や瓦礫の積み上げられた現場の写真を撮っていない。それは、実際現地ではどんな現状なのかをこれから被災地に行く皆さん自身の目ではっきりと見て欲しいと思ったから。だから、僕の撮ってきた写真は比較的平和に見えるものが多いです。でも、例えばこの、湊中学校のある地域は大きく地盤が沈下したため、今でも雨が降れば冠水する。津波が襲った跡は未だに瓦礫や崩壊した家屋がほとんど震災直後の状態のように残っているし、悪臭が酷い。特にこの臭いと衛生状態は、実際に現地に行って初めて理解することができるとおもう。

突然決まった石巻行き、そんな形で一日目を無事に終えることができた。
宿泊先に戻ってからもやることはいくつもあって、まずは夕食の用意を手伝った。食後はボランティアセンターで毎日行われるミーティングにお邪魔。戻ってからは、この日立ち寄ったみなと食堂に置いてあったカンパ用の募金箱(現地で活動中のボランティアが食事をする際にカンパを募っています)が割れてしまい、新しく用意したものが無愛想なプラスチック製のビンだったので、それに装飾をして、2日後に予定しているワークショップのために簡単にできる工程を検討しながらポケットティッシュカバーを試作した。そんな感じで深夜1時頃までいろいろやっていました。そして、一見とても自由に色々やっているように見えてしまうけれど、今回の僕のケースは非常に稀で、友人が現地でマッチングなどを行う立場にいたからこそこのような形で活動させていただくことが出来たことを忘れずに伝えておきます。