個人がアートでフェアトレードは可能か(2)

前回“個人がアートでフェアトレードは可能か(1)”に引き続き、個人レベルでアートやクラフトのフェアトレードのようなことを今からすぐに実行可能なやり方前提で考える。

前回、前提として挙げた「継続可能なこと」「お客さんが得をすること」「誰も傷つけないこと(自分も含む)」から外れないように、僕ができることとして書き出した「材料費の公開」「出来上がるまでの過程の可視化」「価値の基準の明確化」「利益の透明化」について、それぞれなぜ必要でどうしたら何が変わるのかを書いていくんだけど、その前に解決すべき問題は何なのかについても触れておこう。

そもそも何故アートやクラフトにフェアトレードのような考え方を持ち込む必要があるのか。僕が自分自身やアート・クラフト界隈を観ていて感じている問題とは。前回少し触れたけど、今の時代は有史以来最もアーティストが生きやすい時代だとは思う。しかも、誰もが比較的簡単に自分の作品を世に送り出す機会が得られる。つまり、誰でもアーティストになれるとも言える。それはとても自由で良いことなんだけど、そのことで膨れ上がった作り手側の人口は同時に市場になり「アート・クラフトをやっているひと」を対象にしたビジネスも急増、展示や表現の場になるイベントなどもどんどん増えている。こうなると競争原理が働き始める。競争自体は全く悪いことじゃないと思う。それぞれが切磋琢磨しあいクオリティを競うのであれば。しかし現実には質の向上ではなく価格の引き下げが行われる。そうなると買い手側は低い価格を基準に全体を見るのが当たり前になってくる。こんなことは他の業界を見ても火を見るより明らかだ。こういう不毛な競争から胸を張って飛び出るために、公正で透明性のあるものづくりは可能だろうかと考えるようになったのです。

長くなってしまったので、次回“個人がアートでフェアトレードは可能か(3)”で本題に移ることにします。

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