個人がアートでフェアトレードは可能か(3)

前回前々回に続いて今回でまとめようと思います。


本題に入る前に。たまたま目に入ったgreenz.jpの記事がまさに僕が考えていることと同じ方向を観ているので紹介します。
ラグジュアリーブランドの裏側、全部見せます!世界初の100%正直ブランド「Honest by.」:greenz.jp
“2012年1月に生まれた「Honest by.」は、正真正銘世界初、すべての情報を消費者にあけっぴろげに開示するブランド。コンセプトはずばり、“100%正直”。”
みなさんもぜひ一度リンク先の記事をご一読ください!


フェアトレード的にものづくりをするための大前提
継続可能なこと」「お客さんが得をすること」「誰も傷つけないこと(自分も含む)」

上記を踏まえて僕がチャレンジしようと思っているものづくりのかたちとはどんなものか、以下に4つの項目でその意味とアクションを書き出します。

  • 材料費の公開
    原材料として使用する資材全ての原価(仕入れ値)を公開する。取引先との守秘契約に反する場合はこの限りではありませんが、大抵個人レベルでのものづくりにそのハードルはありません。原材料の価格を明らかにすることで創り手が得るメリットは“必要な部材を適正な価格で仕入れることができる”ということ。完成品の販売価格から原価率を逆算していくやり方では原材料費にしわ寄せが必要になり、泣く泣く安い部材を使わなければいけない事も出てきますが、明らかにすることで適正な費用をかけることが可能になります。これは完成品のクオリティの向上につながり、お客様にとっても納得してモノを買っていただけるのではないでしょうか。
  • 出来上がるまでの過程の可視化
    大抵の場合、お客様はものづくりに関して素人です。何にどういう技術や手間暇が必要かを知りません。しかし、ものづくりで一番重要なのが制作過程。だったらつくっているところを全て見せてしまえばいい。僕は以前からUstreamを使って作品や商品の制作をすべてお見せしていますが、それはこのことをずっと考えていたからです。但し、長時間に及ぶ作業の録画を延々と観てくれる人はまずいません。見せ方の工夫をすることで伝えるための努力が必要になりますね。
  • 価値の基準の明確化
    きっとこれが一番悩むところでしょう。例えばアート作品なら受賞歴などの経歴が基準とされることも多いと思います。そういうわかりやすい基準を持っているならそれもいいと思います。僕は自分自身が普段から何を観て何を考えているかというようなコアになっている部分を伝えていくことが受け手一人ひとりにとっての価値を積み上げていくことに繋がるのではないかと考えています。つまりこの部分こそ創り手それぞれの個性をどう伝えるかが重要になる部分。機能やスペックといったデータだけではなく、そのモノが受け手に何をもたらすかといったストーリーがわかりやすく用意されていれば価値の基準として理解されやすいと考えます。
  • 利益の透明化
    ここは個人でアートやクラフトを制作し販売する人が間違ったことをしてしまいやすい部分。まず、利益とは何かを考えましょう。原価(経費含む)を引いた販売利益ということになりますが、大抵の人はここに自分の作業にかかる費用(工賃)を含めていませんか?工賃は経費です。例えば時給1000円計算で2時間かかった作品を材料費500円込みで2500円の価格とした場合、これは自分で手売りすることしかできません。もしも店舗やギャラリーでの販売を考えるなら価格の20~40%程度の販売手数料が必要になるのですが、もしもこの商品を販売委託した場合にはこの手数料は身銭を切らなければ捻出できなくなります。また、チームで作業をしたり外注に出す場合を想定しましょう。工賃は必要経費であって利益ではないということが理解できるはずです。工賃をきちんと公開することで適正な利益の確保も可能になり、買い手からも価格に対する理解を得られるようになるはずです。

と、おおまかに僕がいま考えていることを書きだしてみました。こういった考えを元に、今後のものづくりでは透明性をもってお客様にモノを届けていこうと考えています。フェアトレードという考え方には環境保全や社会への貢献という概念も付随します。自分自身の得することだけではなく、買い手の得になること、社会や環境への貢献も考えながらものづくりをしていくことはきっとぐるっと回って自分自身の幸福にも繋がっていると考えます。こういうテーマのもと、クリエイターの皆さんと一緒に考える機会をつくってみようかな。

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