daily hiderino-2012,07,03

数年前ネットで見かけた数枚の写真。無機質なようでいて何かを静かに訴えるように迫ってくる不思議な写真だった。それがトーマス・デマンドの作品との最初の出会い。最初に目にした作品は『浴室』だった。それが殺人現場の写真を紙で再構築し撮影したものと知り、迫ってくるような印象の理由がわかった。彼の作品づくりの中で衝撃を受けたのは、撮影終了後につくった情景はすべて破棄されているということ。つまり壊されている。作品を写真に残すというやり方は彼自身最初にそうしていたということだけど、最終的には写真や映像が完成形となり、紙によって再構築された状況は制作過程になった。僕自身が今、自分のものづくりとその行先、表現と伝えることについて悩み苦しんでいるので、このタイミングでトーマス・デマンド展を観に行けたことはとても意味があった。